一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“SOU・SOUへの道(8)”
※これまでの「SOU・SOUへの道」はコチラ。
寮生活は楽しかった。
週末になると誰かが泊まりに来たり、夜の街に繰り出したりした。
塚田さんという先輩のベッドの下には、いつもご実家から送られてくるチョコパイが隠してあったので、皆で内緒で食べていた。
バイトが長引くと銭湯が閉まってしまうので寮風呂になる。寮風呂というのはベランダの炊事場でホースで水浴びすることだが、冬場は本当にキツかった。
部屋に暖房がなかったので、6人部屋の真ん中に電気コンロ置いて暖をとった。
ベッドから布団が落ちて引火したら大変なことになるから、皆命がけで注意した。
2年目になると、女子禁制の寮に何故か韓国人(だったかな)のおばさん学生が一人住んでいた。
寮の前に捨ててあった自転車に乗っていたらある日のバイト帰り警察に呼び止められてそのままパトカーに乗せられ、新宿警察署に連れて行かれた。
刑事ドラマのように怖い人と優しい人が交互に取調室に来て、いろいろ取調べを受けた。自転車ドロボーの扱いだった。
一時間位で取り調べは終わったのだが、僕は当時未成年だったので、保護者か誰か成人の人が引き取りに来てくれないと帰れないよと言われた。深夜1時頃、すでに寝ていたチョコパイの塚田さんが迎えに来てくれた。有り難かった。
それ以降、チョコパイを盗み食いするのはやめた。
寮生活は楽しかったが、卒業する約半年前に出て行かなければならなくなった。学校が老朽化で取り壊しになったからだ。
仕方なしに、新宿に住んでいた京都時代の友人宅に居候することになった。
(つづく)
写真は「最近オリンピックのせいで寝不足だわ」と言っているちゅぢゅきさん。
それでは、また明日。