SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“ちいさな意匠/溝川 祐美”
『肩上げ』とは、
着物の裄を調節するために肩のところを縫い上げる和服の知恵。
肩を縫うことで、袖の長さを調整するということですね。
“まだまだ成長する存在”という意味も込められているのでお祝い事の着物や、じんべいも肩上げがされています。
着物に精通されている方にとっては当たり前なのでしょうが、すぐに、安く、物が手に入る今の時代。実際に肩上げを使って調整する、着続けるというのも減っているのではないでしょうか。
SOU・SOUわらべぎの服には「肩上げ」をデザインに取り入れているものがあります。
人気商品「こどもじんべい」にはもちろん、「ちがいそでひふ かたあげ」も、名前の通り肩上げされています。
せっかくなので我が家では少しでも長くきれるよう数着ほどいて使っていました。
少しですが裄丈が長くなっています
もちろんデザインとしてしっかり縫製していますので、解いた後は、縫い目や折り目はございます。何度か洗濯をしていくと馴染みました。
あとは糸を解くとき、間違って生地に穴をあけてしまう可能性もあるのでその辺りは自己責任となります。あらかじめご了承くださいませ。
はじめはチュニック丈だったものがだんだんと小さくなり、袖が短くなってきて寒そうになったころにほどいてトレーナーのように着る。
1歳半から着始めたSサイズはなんやかんやと3歳頃まで着ていました。
肩上げをはずしています。
子ども服のサイズアウト。その光の速さには、毎年毎シーズン驚かされます。
お気に入りのわらべぎが少しでも長く着れる、昔の人たちのちょっとした工夫。それもまた日本の意匠だなと眺めています。
(溝川)