一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【74】”
本日は日曜日!数寄屋大工一家の箱入り娘、寺田由のコーナーです!
春を待ちわびたように、あちこちで行われるお茶会。
春の善き日、お誘いを受けて伺ったお茶会ではお茶席(お茶とお菓子をいただく席)の後に「香席(こうせき)」があり、初めての香席体験をしました。
場所は石川県加賀市山中温泉にある市指定文化財「無限庵」
と言う和歌を主題に組まれた(プログラムのようなものでしょうか)と言うことでした。
加賀にちなみ前田利家の和歌は豊臣秀吉と吉野に花見に行かれたとき詠まれたそう。ちょうど外は桜が満開!おぉ、なんと風情のあることでしょう。
さて、組香(くみこう)の豆知識。
組香とは3つのお香を順番に聞いて、どの香りがどの香であるかを当てるもの。
ここでお香は「匂う」とか「嗅ぐ」ではなく「聞く(きく)」と表現します。
そして大切なことは当たるか当たらないかという「勝負」ではなく「遊び」を愉しむものだそうです。なんと雅な。
香炉を持ち、茶碗のように手の上であしらって手で覆いながら香りを聞きます。
お茶のお稽古でもお香を聞く所作を習ったことがありますが、大先輩のお香を聞く優雅で美しい姿。
私も見よう見まねでいざ香炉を手にあしらいふーっと香りを聞きますが、素直な感想は
私の苦心する表情を見てか、
「イマジネーションを働かせるのよ」
と大先輩からのお上品なアドバイス。
笑顔で誤魔化してみるも内心は気もそぞろ。
3つのお香を聞き終わると、硯の横の小さな短冊状の紙に名前と答えを書いて提出します。
全てがで揃えば全員の答えを大きな半紙に書き、答え合わせをします。
もちろん3つとも当たっていれば◎
同席した兄はなぜだか全問正解
席主の方のお話では、香りを色に変換する、景色や食べ物に変化させるなど香りと記憶を結びつけるイメージは人によって違うそうです。
絶対音感のある人は音階に変換させたりするそうですよ!
たまたま席をご一緒した方から、かつて私の祖父も同じこの場所で茶会を催しており、その席に伺ったのよ!という話を聞きました。
なーんにも知らない私たち兄妹は「そうなの?」と顔を見合わせて感激し感慨に浸りました。
《つづく》
========================================
そして本日はこどもの日!
というわけでジャパネスク村のこどもの日の様子をどうぞ・・
それでは、また明日。
-------------------------------------------
【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
-------------------------------------------
4 件のコメント
久しぶりの(?)茶室彼是!お香、聞くとは何とも素敵ですね。体験してみたいと思うものの(^^;)
お茶の色々も寺田さんの茶室彼是で学ばせていただき、いつもありがとうございます。
よっ!様
コメントをいただきましてありがとうございます。
私はまだまだ初めて見聞きすることばかりですのでトンチンカンなことも多いですが・・・。
機会がありましたら、ぜひお香を「聞いて」楽しんでみてくださいませ!
由さんの「茶室彼是」は、いつも興味深々で拝見しておりますが、"お香"の世界も何やら雅深い様子ですねぇ(-.-)
昔から"蘭奢待"とか超超お宝なものがあったりやけど、私も「好きな香りはこれかなぁ…」的レベル(´-`).。oO
それでも「たまにはお香を」と思うのですが、いかんせん、まだまだおてんばな愛ネコがいるので諦めておりますʅ(◞‿◟)ʃ
そうそう、由さんの短冊の名前の文字も、なんか味のあるえぇ字やなぁと拝見(^^)
これからも趣き深く由緒ある建物や貴重な体験談を聞かせてくださいね♪
kazu-endlix 様
コメントをいただきましてありがとうございます。
蘭奢待・・・もう博物館のお宝ですね、一生「聞く」ことは出来なさそうです(笑)
お香のかおりがするとホッとすることが多いですが、香席となるとドキドキしてしまう小心者の私です。
拙いことですが、これからもお付き合いいただけましたら幸いです!