一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【70】”
本日は日曜日!数寄屋大工一家の箱入り娘、寺田由のコーナーです!
今年は「にほんのかたち」をテーマに毎月新しいテキスタイルをお届けしています。
今月のテキスタイルは「大工道具」
少しマニアックなようにも感じますが、よく考えてみれば大工道具も立派な日本独自のもの、文化でもあります。
以前、大工道具の博物館で見た外国の大工道具と日本の大工道具は全く違う物でした。
神戸・竹中道具館の展示
世界には様々な文明がありそのスケールには驚くことが多いですが、日本でも今から遡ること1400年前の聖徳太子の時代には法隆寺の五重塔、もとより古代には出雲大社の空中神殿など巨大な木造建築を建立していたといわれています。
今ほどに文明が発達していない時代、その時代の大工の知恵と技術の手元にはテキスタイルの中に登場するような「大工道具」があったに違いません。
今は巨大な重機から電動工具までありとあらゆる便利なものが多くあります。
もちろん私の父や兄も工具や機械を使用して仕事をしていますが、手元には必ず大工道具があります。
こちらは兄が修行時代から少しづつ集めた自慢の大工道具。
どんなに寒い冬の朝も道具の刃物研ぎから始めます。
柄や台は自分で仕組んだ物に交換し、道具を収める箱ももちろん自作のもの。きれいに並んだ道具はいつでも使えるよう今か今かと出番を待っているようです。
道具を見極め、自分で手入れしながら大切に扱う。それも一人前の大工の要素。
今ではあーだこーだと父と兄の大工道具談議が始まったら止まりません。
もちろん、SOU・SOUの茶室もたくさんの手仕事を経て完成しました。
父や兄の手は長年の仕事で皮が厚くなりザラザラ・ゴツゴツしていますが、私は幼い頃からこのゴツゴツした父の大きな手が大好きです!道具を使わない職人はいません。
職人の「手」が扱う大工道具には静と動の美しさがあるのではないかと思います。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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あしからず御了承願います。
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6 件のコメント
寺田さん、こんにちは。
私の両親も職人(別々の仕事ですが)でしたので、うちにはいろんな道具がありました。もう仕事をやめてしまい、ある程度処分したようですが、時々ふっと顔を出すそれらが懐かしくも愛おしくもあります。
来週、手根管症候群で母は日帰り手術を受けます。長年働き続けた勲章だと私は思っています(本人は痛がっておりますが 苦笑)。
chabo様
こんにちは!コメントをいただきましてありがとうございます。
職人さんの道具は商売道具というよりも「手」そのものですね。chabo様の記憶に残る道具が懐かしく愛おしいのも納得です。
手根管症候群、勲章とは言え痛みが強いと何かとご不便な日々ではないでしょうか。心よりお見舞い申し上げます。
手術で回復されることをお祈り申し上げます。
自分は離職期間にハローワークで雇用促進センター(ポリテク)で大工道具の扱い方を学んで建屋作りをしたことがあります…^^;
…なので、カンナの刃砥や刃の出し方、ノミやノコギリの使い方等々…今でも役立っています♪
大工道具に限ったことではありませんが、道具に合わせた丁寧な扱い方をすることで道具はより良く答えてくれるもの…だと自分は思うのです^^
ORまねきねこ様
いつもコメントをいただきましてありがとうございます。
器用で羨ましい!といつもコメントを拝見して思っておりましたが、さすがですね!大工道具までマスターされていたとは!
道具に合わせた丁寧な扱い、本当にそうですね。道具も魂のあるもののように思えてきます。
遅まきながら・・・
建築に携わる者にとって"職人技術"は言葉にできるものはなく、設計や監理を担っていても最後は現場の職人さん・番頭さんの教えを伺う場面もあります。
墨打ちひとつ、あぁ〜むつかし>_<
和建築、奥深し・・・
kazu-endlix様
いつもコメントをいただきありがとうございます!
色んなプロの方がそれぞれの知恵と技術を出し合ってものづくりをされていますよね。でもその根っこにはものづくりへのプライドと情熱を感じます!
何事もその道の先は深く長い物ですねー!