一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【65】”
本日は日曜日!数寄屋大工一家の箱入り娘、寺田由のコーナーです!
気持ちの良い秋空が続いております。
京都にも行楽シーズンの到来です。
今年は千利休生誕500年の節目の年だそうです。
京都には茶の湯に関係した大小の美術館がとても多く、どの美術館も特徴やみどころがあります。
お茶を身近に感じられるところが京都らしく、またそんな節目の時期には、それぞれの美術館でトピックをリンクさせた展示が行われたりと京都らしい楽しみ方ができるのも個人的には良いなーと思うところです。
さて、本日ご紹介するのはこちら。
京都国立博物館で開催中の特別展「茶の湯」
楽しみにしていた展覧会に早速、行ってまいりました。
内部は撮影禁止ですので、言葉でお伝えしようと思います。
「盛り沢山!」
とにかくこの一言に尽きます。
これも、あれも、それも国宝!
こんなに一度に見せてもらって良いのでしょうか!!
本当に「茶の湯」の全てがここに集まった!そんな贅沢な展示が終始続きます。
また、私たちが「茶の湯」と想像できる時代以前の茶の湯のルーツとも言える時代の展示が非常に丁寧にされていたことに驚きました。
仏教との関わりから、有名な戦国武将たちとお茶の関係性、壮大な歴史ドラマを観ているかのようです。
千利休の弟子でもある茶人、古田織部は利休から「人と違うことをしなさい」と言われていたそうです。
あえて弟子にそう言い残した利休にももちろん織部に対する信頼あってのことだと推測できますが、なかなかそれに応えることは容易いことではありません。
利休が確立した『侘び寂び』と言われる新しい美の価値観に対して、織部はあえて崩した茶碗や継いだ茶碗など、破天荒とも言われる『動の美』を表現しました。
一見わかりにくい造形美は、表現者の想い哲学がきちんと伝わることで成立し、人々の心に刻み込まれる。
現代の私たちが見てもその哲学的な魅力と新鮮さを感じるのは、織部の美意識が闇雲なかっこよさではないことを証明しているようにも感じました。
んー、今夜は「へうげもの」をもう一度読み返そうかな・・・。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
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あしからず御了承願います。
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8 件のコメント
こんにちは♪
情報、ありがとうございます^^
自分も陶芸作品を観るのが好きなので…
今月末にSOU・SOUさんへ伺う時にでも観に行けたらいいなぁ…と思っています。
(開催期間中の金、土曜日には夜間開館、ライトアップもされるようですので…)
古田織部といえば「織部焼」…
「土岐市」にある道の駅で電動ロクロで茶碗の制作体験をしたことがあり…
「織部」の釉薬は「緑」ですが、他に「志野」や「美濃」の釉薬も試すことができます。
(↑この情報は自分が30代の頃のものなので… 事前確認をお願いします…m(_ _)m)
ORまねきねこ様
コメントをいただきましてありがとうございます。
また、楽しそうな情報を!ありがとうございます。
岐阜は焼き物の里ですね。ゆっくり散策してみたいところです!
ぜひ、SOU・SOUへお越しの際は京博へも行ってみてくださいませ。
かなり盛り沢山なのでしっかり腹ごしらえしてから行かれることをおすすめいたします☺︎
京都国立博物館!私も来月お邪魔しようと思ってました!
寺田さんの日記を拝読し、私のわくわく感がさらに高まりました。
生誕500年。すごいですよね。
ただ、お茶を飲む・・ただそれだけの日常の営みを「道」にしちゃった人。そしてそこに、政治、経済、文化が乗っかてる。
こんなに、何もかも学べる「道」が奥深いのは当たり前といえば、当たり前ですが、知れば知るほど、人間っておもしろいなあ、と思います。
何かを感じて帰って来れたらいいなあ、と思いながら、訪ねたいと思います。
はな様
コメントをいただきましてありがとうございます。
本当に、生誕500年はすごいですよね。
どの時代、特に近代でも日本のトップにいる人たちは皆お茶を嗜んでいたというのはとても興味深いことです。
ぜひ、ゆっくり楽しんでらしてくださいませ。
私が行った平日のお昼間は比較的空いており、宝物独り占めでしたよ!(笑)
こんな素晴らしい展覧会が行われていたなんて知りませんでした!教えてくださり、ありがとうございます
私の推しご当地キャラ(笑)が古田織部ファンで、割と近くにあるらしい古田織部記念館(正式名称知らず…)に行ってみたいと思っています。
京都は「あれ?ここ良い雰囲気…」と思ったら実は美術館や記念館だということが多いですよね。住んでいると、いつでも行けると安心し、意外と行かないのはあるあるですが、この秋は行ってみたくなりました。
chabo様
コメントをいただきましてありがとうございます。
推しが織部ファンとは、渋いですね!
住んでいると行かないあるある、本当にもったいないですがそうなんですよね。
秋の良いお天気には、ぜひ京博へお出かけなさってみてくださいませ!
"へうげもの"
画風と「侘び寂び」観が相まってて、今も愛読している週刊漫画誌に連載していたので結構好きで読んでいましたよ(^^)
千利休が切腹するあたりはなかなか読み応えがあったなぁ〜♪
茶道具の目利きなどもってのほかどころか、作法すらロクに知らない私から見れば、そうした歴史的な逸品などから壮大な歴史観や「侘び寂び」を感じられる寺田さんの感性に羨望します(*^^*)
SOU・SOUのテキスタイルデザインやひとつ一つのアイテムにも通じるものがあるんやろうなぁ〜…
kazu-endlix様
コメントをいただきましてありがとうございます。
『へうげもの』すでに読了されていましたか!さすがです!
独特な世界観ですよね。
私も道具などへの審美眼などこれっぽっちもありませんが、「わからない」ことが興味を沸き立たせるのでしょうね。
こういうものか!と言う足跡を踏みながら死ぬまで楽しめそうな世界です(笑)