SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“写しの世界/中村 奈緒子”
現在配布中の「2022年版 SOU・SOU暦」。皆さまご覧いただけましたでしょうか。
今年発表された「写し」のテキスタイルデザインをお楽しみいただけるSOU・SOUオリジナルカレンダー。
商品合計5,000円以上お求めの方に進呈しております。
日本の古典の名作をSOU・SOUテキスタイルデザイナー脇阪克二が独自の解釈を加え、新たな作品として生み出したこのシリーズ。私も毎月の発表を楽しみにしていました。
多くの人が一度は目にしたことがあるだろう、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」、尾形光琳の「燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)」、伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風(ちょうじゅうかぼくずびょうぶ)」なども、脇阪さんのフィルターを通すと、ポップで斬新。驚きと感動を覚えます。
一方で、初めて知る作品も。
『 金銀襴緞子等縫合せ(きんぎんらんどんすとうぬいあわせ) 』
戦国武将 上杉謙信が着用したといわれる羽織。当時の舶来品である金欄や緞子をパッチワークした豪華なもの。
出典:The Kimono Gallery
『 海路(かいろ) 』
明治から昭和初期にかけて活躍した絵師 神坂雪佳による波と水をモチーフにした図案集の中の1点。同じテーマでこれだけの作品を生み出せるなんてすごいですね。
出典:図案集「海路」Kairo(海路) – F|S Pulverer Collection、日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan
『 梅花散文蓋物(ばいかちらしもんふたもの) 』
尾形光琳の弟で陶芸家の尾形乾山作の蓋付きの陶器。京都の呉服商に生まれた乾山。家業の染織に用いる、型紙を使用する技法で梅の文様を描いているそうです。
出典:MOA美術館
『 染付梅花氷裂文(そめつけばいかひょうれつもん) 』
中国の陶磁器の影響を受けた、肥前・有田などで用いられた意匠。ひび割れた氷の上に梅の花を配し、春を待ちわびる気持ちを表現しているそうです。白と青のコントラストが清々しく美しい。
出典:佐賀県立九州陶磁文化館、そば猪口美術館
目をみはるほどのポップでモダンなデザインの数々。その時代や作り手の美意識がぎゅっと凝縮しています。
今まで知らなかった古典を知るきっかけになるのも、「写し」のよいところではないでしょうか。
ところで私は毎年、衿巻ジバンを新調するのですが、今年はこの柄を選びました。
花柄ですが渋い色味なので、かわいくなりすぎないところが気に入っています。
他にも、「写し」を施したアイテムはたくさんございます。
★←こちらのページの下部、『一緒におすすめ SOU・SOUの「写し」』のコーナーをご覧くださいませ。
(本日発売の狩野永徳作「洛中洛外図屏風(らくちゅうらくがいずびょうぶ)」柄の 足袋下&手ぬぐい も!)
皆さまもぜひ、歴史ある意匠を身にまとってみてはいかがでしょうか。
4 件のコメント
脇坂さんのすごさを改めて感じました。
古典の物がテキスタイルとして蘇り、違和感なく受け入れられる。
写の世界、中村さんの説明がわかりやすくコメントさせてもらいました。ありがとうございます。
wara 様
コメントいただき、ありがとうございます!
おっしゃるとおり、現代に溶け込む古典も、脇阪さんの手腕あってこそだと思います。
今年のテーマ「写し」はすべて出揃いました。
来年のテーマもお楽しみいただけたら幸いです。
「元」もすごいですが、「元」を見ると、脇阪さんのすごさ、ありがたさ、すごいですよね。
SOU・SOUに出会えた事に感謝です。
よっ! 様
いつもコメントいただき、ありがとうございます!
たしかにオリジナル作品もすべて個性的で、すばらしい作品ばかりですね。
そしてポップに生まれ変わった脇阪さんのデザインも、また違う力を持っていると思います。
引きつづき、SOU・SOUのデザインをお楽しみいただけたら幸いです。