一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【47】”
数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
【番外編】
お茶をはじめて知ったことがお道具を愉しむこと。
美術館などに行くと、「利休作」「光悦作」などと書かれた道具が並んでいます。
「自分で作っちゃうのか!」
っと思わず思ってしまいましたが、茶人たちは茶杓や茶碗などを自作することで芸術性や個性を演出していたようです。
そんなふうに道具を自作してアッ!と驚かせてくれたのが、私の義姉。
建築家でもありデザイナーの義姉は長年、カーボンファイバーと言う日本で生まれた新素材を使用して家具などをデザインしています。
カーボンって・・・よくわからないけれど、宇宙開発とかレーシングカーとかのパーツに使われている。
私はそんな程度の知識しか持ち合わせていませんが、いかにも現代的であることは言うまでもありません。
そんなカーボンを使ってデザインした、炉縁(炉の周りの枠)と茶杓。
漆黒の表面は市松模様のようになっており、どことなく私たちに馴染みのある雰囲気ですが、素材はカーボン!茶室では見たこともない異素材です。
▲茶杓の銘は「濡烏(corbeau moillé)」
最先端素材なので、さぞ自動化された工程を経て制作されたのかと思いきや、制作秘話をよくよく聞いてみると、曲線や折り曲げた面の細かいディティールを表現させるためには最終的には職人さんの技術が必要だそうです。
「最先端なのに手で作るの!?どうやってできるの!?」
そんな道具を通しての会話も楽しいものです。
もしかすると、過去の茶人たちも自慢の道具についてあれやこれや会話していたかもしれませんね。
▲折り曲げた部分の模様が自然で均一になるようにするのが職人技の光る箇所
現代的でありながらも最終的に人の手によって作られる、そんなところがこの炉縁や茶杓が持つエピソードであり歴史になるのだと思います。
いかにも伝統が重んじられている印象の茶湯の中にも、新しい自由な表現があることがとても楽しいです。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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あしからず御了承願います。
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2 件のコメント
お父様もすごいですが、寺田家みなさん、凄いですね。
紹介してくださる由さんもまた、教えてもらわないとわからないようなことを色々と、ありがとうございます。
ずっと話を聞いていても飽きないだろうなぁ~といつも「良いな~」と拝読。
いつかお茶話、ゆっくりお伺いしたいものです。
こんなお道具は拝見したことない!!
進化し続ける道具たち・・デザイン性もあるんですねえ・・。
利休さんがみたら、なんて言われるかしら???
銘も素敵。
茶道も進化し続けてるんですね・・