一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【34】”
数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
先週は天井の「へぎ板」が色々な意味で「クセモノ」であった話をいたしました。
今回はこの写真にも写っているもう一つの「クセモノ」のお話です。
それは「煤竹(すすだけ)」。
天井に一定間隔で配されている竹は竿縁(さおぶち)と言われるもので注目していただきたいのは、この飴色に輝く竹です。
煤竹は字のごとく、煤で燻された竹のことですが、人工的に燻されたのではなく、茅葺きの古民家の天井や屋根裏で百年、二百年と燻されたもの。
元々は真っ黒だそうですが、きれいに磨くと飴色になるそう。
古民家も減少してるため数も少なく大変貴重なものになっています。
祖父も父も、仕事で使用する材料は必要な時に調達するのではなく「物がある時」に調達しています。
職人の高齢化、需要がなくなって生産されなくなったもの、昔はたくさんあったものがある日突然、手に入らなくなることは残念なことに良くあることなのです。
ですので、目の前にある時に手に入れると言うのが、父にとっては当たり前のこと。
そんなことで、父の煤竹ストックの中から、SOU・SOU茶室に必要なものを選りすぐりました。
自然のものなので、太さや色、節の形状など同じものはありません。
その中で並べた時に自然になるよう何百本とある煤竹の中から選別します。
そういえば、私のお稽古に通っているお茶の流派ではお茶を点てる際の茶筅(ちゃせん)は煤竹のものを使用します。
先生はお稽古の際にも煤竹の茶筅を使用させてくださるのですが、実はとてもとても高価なもの。
「なかなか以前と同じ価格では手に入らないのよ」と仰られていたことを思い出しました。
昔はありふれていたものが色々なところで「レア」なものになっているようです。
今は当たり前にあるものも大切にしたいですね。
《つづく》
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それでは、また明日。
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2 件のコメント
悲しいことに、どんどんレアものに成っていきますよね(^_^;
良いのか悪いのか・・・。大切に、大事に伝え残さないと、ですね。
よっ!様
いつもコメントをいただきありがとうございます。
なんでも簡単に作れてしまう便利な世の中ですが、そうじゃない業界もあるようですね。