本間と古川の染織倶楽部 /
“第十五話:『ウール』について”
秋冬になるとウール製品が多くなりますね。
染織倶楽部、第十五話は『ウール』についてご紹介致します。
ウールは羊だけではなく、動物の毛の総称として呼ばれています。
羊から刈り取った毛を羊毛。それ以外から刈り取った毛を獣毛(アンゴラ・
カシミヤなど)といって区分されます。
第十三話でご紹介したモスリンは上質なメリノウール100%です。
オーストラリア・メリノ
ウールの表面には、スケール(髪の毛の場合キューティクルと呼ばれます)
と呼ばれるウロコ状のものが無数にあります。
このスケールと呼ばれるウロコは湿気を含むと開き、
乾燥してくるとウロコは閉じます。(髪の毛も同じです)
つまりスケールの開閉によって、衣服内の湿度を
コントロールしてくれる働きがあります。
スケール
よくウール製品を洗うと縮んでしまうという事を聞いたことが
あるかもしれませんが、それはこのスケールが関係しています。
水に濡れるとスケールが開き、もみ作業によってスケールが絡み合い収縮し、
硬くなります。これをフェルト化といいます。
洗濯機や乾燥機を使用して縮んでしまった経験のある方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか?
最近ではこのウロコを除去したり、樹脂でスケールが開かないように加工したもので、
水洗い可能なウォッシャブルウールとして売られている製品もございます。
(ただしスケールのもつ湿度コントロールは無くなります)
逆にフェルト化させたものを製品化したものも沢山あり、用途に寄って
使い分けられております。
SOU・SOUでもウォッシャブルウールの製品がございます。
■ウォッシャブルウール天竺 小袖莢
(現在店頭のみ販売。近日NETショップ掲載予定)
スケールの開閉によって、衣服内の湿度をコントロールしてくれるウール。
実は秋冬だけではなく、夏にはサマーウールとしても人気があります。
毛の細さ(番手)や織り方、編み方次第では、
秋冬はもちろん、一年通して付き合っていける万能素材なのです。