室町時代には他人と違った身なりの人、自由奔放にふるまう人の事を 傾いた人(カブイタヒト)又は傾き者(カブキモノ)と言ったそうです。 首を傾げるほどおかしな人という事です。のちに傾く≠語源とした 当て字歌舞伎(カブキ)≠ニいう言葉が京都で生まれます。
今の日本のメンズファッションは、欧米スタイルのコピーや焼き直しが とても多く、別にそれが悪いわけではないですが、日本らしさもなければ 斬新さにも欠けるというのが個人的な感想です。僕は今の日本の街並みや ライフスタイルにあった、本当の意味での和服が創りたいと思っています。 でもそれは客観的にみても今の流行からはかけ離れたものになると思います。 それでいいのです。SOU・SOU傾衣は、現代の傾き者≠創っていきたいと思います。
SOU・SOU/若林 剛之
アイヌの民族衣装を元に形作られたコート風羽織。 表地は無地に対し、裏地には柄と着る面により 違う表情を見せるリバーシブル仕立。 歩く際に捌ける裾に見え隠れする裏地は羽裏のような 雰囲気を持ちます。
ショールに見えるのはだらりと伸びた広い衿。 取りつけ式の組み紐で様々な着方が出来ます。 生地は毛斯綸(モスリン)を使用しており、 独特のドレープ感があります。
風靡とはいわゆる着物でも作務衣でもない、 SOU・SOUのオリジナルスタイルです。風や水の 流れに従って横に傾き伏す靡く(なびく)≠ニいう 意味をもっています。