受け継がれる、美とこころ。
Inheritance of aesthetic sense.
『好み』とは、「元禄好み」や「利休好み」のように、ある時代や特定の人に好まれた茶道具や器物、庭園などの様式のことを指します。
“SOU・SOU好み”では、SOU・SOUが大切にしたい日本の伝統やデザインをご紹介いたします。
#01三重県 津市
伊勢木綿
ISEMOMEN from Mie Japan
粋でモダンな伝統布
Traditional fabric, chic and modern.
三重県津市伝統工芸品『伊勢木綿』。昔から変わらぬ製法で織られる小巾の反物は、最高の肌触りと古布のような素朴な風合い。また、縞や格子柄などの伝統柄は、江戸時代に考案されたとは思えないほど、粋でモダンです。
伝統受け継ぐ唯一の作り手
かつて一大産業として栄えた「伊勢木綿」ですが、時代の変化の中で需要が激減し、現在、作り手は臼井織布(株)一社のみ。国内最高級の純綿糸を使用し、昔から変わらない製法で、ひとつひとつ丁寧に織りつづけています。
ゆっくりと織り上がる希少な生地
弱撚糸(ねじりの少ない糸)は切れやすく織るのが非常に難しいため、ゆっくりと織らなければなりません。明治時代の織機を使い、一台で織りあがるのは一日一反分(約13m)のみ。とても希少な生地です。
洗えば洗うほどやわらかに
綿(わた)に近い状態の弱撚糸を天然のでんぷんのりで固めて、昔の機械でゆっくりと織っていく。出来上がった布は洗っていくうちにのりが落ち、糸が綿(わた)に戻ろうとするので、生地がやわらかくなっていきます。
美しくモダンな伝統柄
伊勢木綿の特徴のひとつである美しい縞や格子柄。江戸~明治時代に作られたもので、その柄や柄名からは当時の流行や時代背景をうかがい知ることができます。現在も、当時の柄が現代の染糸を使って織られています。
SOU・SOUにはなくてはならない素材である三重県津市の伝統工芸品「伊勢木綿」。今回、伊勢木綿の唯一の織屋『臼井織布』を見学させていただきました。