そのひと、そのもの / SOU・SOUスタッフ60人のストーリーのある愛用品を紹介
“箸にはじまり箸に終わる/李 瀟瀟”
▲このお箸は「山親爺」の手から生み出されたモノ
手元で使う道具は、木のモノが多いという吉田さん。
ときに自分の手の代わりとなって働いてくれるような、
温かい感触を持つ木の道具。
一つ一つ違う木目や木肌の様子、
天然素材ならではの心地よさがあります。
とりわけお気に入りは、平野和さん作のお箸。
通称「山親爺(やまおやじ)」の平野さんは、
最初に自分で箸を削ったのは、なんと7歳。
まだご自身のお箸がなく、お姉さんのを使ってしまったら、
お祖父さんに自分の箸は自分で削れと怒られて以来、
70年以上箸を削ってこられました。
これを聞いて吉田さんは感銘を受け、
オーダーメイドのお箸を「山親爺」に依頼続けてきたそうです。
これらのお箸は端正の姿にしすぎず、木の癖や歪みを残していて、
サイズもやや長めです。
「平野さんの削るお箸は、いつも長めに作って、
あとから手に合ったサイズに微調整できるようにしているとおっしゃっていました。」
今回は、SOU・SOUのテキスタイルで箸袋もオーダーしたそうです。
私が学生時代京都で留学していた時、
日本人によく褒められたことがあります。
「お箸の使い方がお上手!」です。
世界中14億人もの人が箸をつかっているのに、
中国人の私はできて当然なのに褒められる。
長い間不思議に思っていました。
それから四年経て、日本人の日常生活をしみじみ覗き込みながら、
いくつかの小さな気づきがありました。
中国では箸を二本一組で「双」、「対」、または「副」で数えます。
一方、日本においてお箸は「一膳二膳」と数えます。
月(にくづき)…体の器官(肺・脳・腰・胸など)を表す偏。
月(にくづき)をもつ「膳」。
まるでお箸は無機質な「道具」でなく、
体の器官や、それに近い機能を果たすモノのようですね。
大事なことは手の延長となる「お箸」が教えてくれました。
「膳部揃うで箸を取れ」。
物事は焦らずに準備が整ってから始めよう。
「箸をとる」。
食べ始めること。仕事を始めること。生きていくこと。
「箸をつける」「箸を休める」。
時々ふと立ち止まって、ほっと一息つけることも大事。
お箸上手ですね。
またこう褒めてもらえたら嬉しいですね。
(しょうしょう)
2 件のコメント
お箸の持ち方が上手な人って、素敵ですよね。
逆に私的には、どんなに美しい女性やかっこいい男性でも、お箸の使い方がNGだと残念に思ってしまいます。
箸をとる前にいただきます、と言いますが、食べる人の為に命を落としてくれた動物や植物逹に対する最低限のマナー。
お箸を上手に持って、必要な分を大切にいただきたいですね。
後藤美希 様
コメントありがとうございます!
「してはいけないお箸の使い方」を調べて見たら、「握り箸」「寄せ箸」「刺し箸」「渡し箸」・・・数多くの「箸マナー言葉」に驚きました。
また同じ箸食の文化を持っている母国中国と日本、そして隣国の韓国では、お箸の材質や形、更に食事作法がかなり違うところにも興味が湧いてきました。
お箸の使い方の違いはそれぞれの国の歴史や文化的な背景によるものですが、
食事の前に手を合わせて「いただきます」を言うのは日本だけですね。
後藤様のおっしゃる通り、それは食べものの恵みと作ってくださった人への感謝の気持ちを含まれている言葉で、
実はそれは私が初めて覚えた日本語でもあり、とても素敵だと思います!