一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【29】”
本日は日曜日、数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
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現場に入り、着々と進むSOU・SOUの茶室工事。
基礎的な材料がすっぽりと収まったところで、同時進行で進められるのが左官(さかん)工事。
つまり壁の工事です。たかが壁、されど壁。
茶室の壁は粘土を壁に塗った土壁です。
一見、土壁なんてどれも同じだろうと思うところですが、この土壁が茶室の印象を決めると言っても過言ではありません。
部屋の壁紙を白にするか、オフホワイトにするか・・・はたまた違う白に?
この感覚と同じで、土壁の色の濃さで茶室の雰囲気はガラリと変わるのです。
今回、SOU・SOU茶室に提案した色見本は3色。
こう並ぶと違いは歴然ですが、工事の段階でこの色見本だけで理想の茶室に仕上げるのは至難の技のようにも思えます。
父がSOU・SOUの茶室にはこの色が良いだろうと思っていた色があるのですが、ここは施主である若林の好みを確認しなければいけないところ。
幸い?偶然?奇跡的に?その両者の色が一致しところで落ち着きました。
あとは左官職人さんにお任せするだけです。
余談ですが、茶室の壁は経年変化によって色が変化していきます。
それは「ただ古い」のではなく「詫び」としての付加価値となります。
そして古い茶室が醸し出す雰囲気は新しい茶室では表すことの出来ない「美」となります。
数奇屋大工はその何十年も先の変化を見越して茶室を造らないといけないのです。
我が家の茶室も段々と壁の色が変化し、昼間でも薄明かるくてなんとも言えない空気感です。
お茶人さんの中には茶室を建てても直ぐには人を招かず、何十年も壁の経年変化を待つ人がいるほど壁の色の変化を重要視するそうです。
新しくて良いものは世の中に沢山あってわかりやすいですが、古くて良いものを見極めるのには「眼」が必要なような気がします。
《つづく》
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それでは、また明日。
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2 件のコメント
見極める「眼」、難しいですね。
熟練の技、ちょっとやそっとでは身に付かないですものね。
一つを極める職人技(職人さん)、頭が下がりますm(_ _)m
経年変化、また、楽しみですね(^-^)
よっ!様
いつも温かいコメントをいただきましてありがとうございます。
生まれた時から使い捨てのものがある時代に生きているので、学校では教えてくれない価値ですね!
新しいものだけではなく古いものを愛でる日本の美意識ってすごいなーと感じます!