SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“瀬戸内の旅/溝川 祐美”
旅といえばやっぱり地下足袋。
是非お財布はがま口(親子)で。
という事で先日瀬戸内海の直島を旅してきました。
直島内は以前行ったことがあったので今回はその近くの豊島と犬島に。
まずは直島からフェリーで30分ほどの豊島に。
ちなみに私は何度も「とよしま」と読んでしまいましたが「てしま」です。
港についてまずは電動自転車をレンタル。
一本道をひたすらまっすぐ進みます。
途中景色に感動しながら目的地「豊島美術館」に。
使われていなかった田畑を地元の方と一緒に棚田に再生させられた敷地、
その一角に水滴のような美術館が現れます。
空や木々、風の音や自然の光が感じられる空間でした。
この島ならではの美術館。
自然を感じすぎたのか恥ずかしながらいつの間にやら本当に寝てしまいました。
他にも豊島では横尾忠則さんの作品がある豊島横尾美術館や、
お昼ご飯に「てしまのまど」さんにもお邪魔してきました。
そしてお宿は直島に戻り安藤忠雄さん建築で有名な「ベネッセハウス」へ。
美術館と宿泊施設が一緒になっており
なかなか見れない夜のアート作品を堪能しました。
私の宿泊したパーク内には杉本博司さんの作品が中心に展示されていました。
「人類が最初に見た風景は海ではなかっただろうか」
「海を最初に見た人間はどのように感じたか」
「古代人の見た風景を現代人が同じように見ることは可能か」
という思いから水平線を撮った「海景」シリーズの一つ。
この近くの通路から見える海の水平線と同じ高さになるよう設置されてあるとか。
そして2日目は前日の豊島からさらに30分程の犬島へ。
犬島精錬所美術館があります。
外観はラピュタに出てきそうな、独特の雰囲気が漂います。
SOU・SOUテキスタイルは自然に良く合います。
犬島はこの精錬所が閉鎖されてから人口が減り続け
最盛期の6,000人から今では約50人程の島になったそうです。
美術館や島内のアート作品とはうらはらに
手付かずで荒れてしまった空き家や庭もちらほら目につきました。
前日の豊島も昔は「ゴミの島」と呼ばれるほど
産業廃棄物の問題をかかえた過去のある島でした。
「自然を生かす」とは簡単に言いますが実際すみ続ける事やそれを保持する事も難しく、
アート作品を通じて島や自然の良さみたいなものが伝わるのではと思います。
それを物語るかのように観光客も多い中豊島にはゴミが少なかったです。
豊島で自転車をレンタルしたお店のおじさんが
「この辺りの商店は死んだらおわり(閉店)や?」と
笑いながらおっしゃっていたのが胸に残ります。
なくなってしまうものの半面、アート作品など通じて新しく生まれているものもあると思うので島がこれからもあり続けてほしいと他所者ながら最後にしんみりと考えました。