『師走/薄氷(うすらび)』
少し冷えているなぁと思う朝。
散歩していると池の水が鈍く光っている。
近づいてみると薄く氷が張っている。
縦横に亀裂が入っていて陽が昇ってくれば全部溶け
てしまうだろう。
いよいよ冬が来たのだと思い切って伸びをする。
縮こまっていないで冬ならではのおいしいものや
楽しみを見つけよう!!と思う。
12月は、池の水に薄く張った氷をイメージして作った御菓子。薄いグレーの色合いと透き通った寒天が厳しい冬の寒さを表現しています。
薄いグレーの色を付けた白こし餡に みじん粉(※)と上用粉をふるいに かけたものを入れます。

※みじん粉:炒ったもち米を細かく 砕いたもの
粘りが出ないようにざっくり混ぜ合わせます。
生地を裏ごししてそぼろ状にしたものを型に敷き詰めて いきます。
その上にかのこ豆(備中白小豆)を砂糖で煮たものをまんべんなく散らします。



波型になるよう加工した板で軽く表面をプレスして、水面を表現します。
蒸し器で生地を蒸し上げ、熱を取ります。
次に寒天にざらめを入れて煮溶かします。(1)
別の鍋で葛と水を混ぜ合わせ、火にかけて透明になるまでかき混ぜます。(2)



(2)に(1)を少しずつ加えながら混ぜ合わせます。(3)
蒸し上がった生地に(3)を流し、均一になるようヘラで表面をならします。
最後に数箇所に串を刺して、厚みが均一になっているかをチェックします。
冷蔵庫で冷やして固めたものを氷の形をイメージした型で抜いていきます。
特製の棒(※)を使って、抜き型から御菓子を押し出します。
※棒の先には御菓子と同じ型の木片が付いています。
二層になった断面が、池の水面に氷が張ってある様子を表現しています。