『神無月/武蔵野(むさしの)』
武蔵野と題された襖絵は一面の芒野だ。
昔、武蔵野は芒の穂で覆われていたのだろうか?
秋風が吹き始めると散歩する道沿いに芒の穂が姿を見せる。風に大きく揺れ横倒しになりながら たおやかに生きている。 「そうそう」と相槌を打ち、右にふれ左にふれながら 自分の考えを確かめ確かめ歩んでいく日本人と 重なってくる。

10月は、芒野に浮かぶ月をイメージした外郎
(ういろう)のお菓子を作りました。
蒸しあがった外郎に
満月色になるように色づけをしていきます。
熱いうちに手早く生地をまとめるのがコツだそう。


備中白餡に栗を合わせて炊き込んだものを、外郎で包みます。


手にくっつかないよう、片栗粉をサッとまぶして
形を整えていきます。
淵のラインを「ピシッ」と出して、
底を平らに仕上げるのがポイント。


次に、芒の穂を表現します。
こなし(※)に色付けをしたものを平らに伸ばします。

※こなし:こしあんと薯蕷(じょうよ)粉(または小麦粉)を加えて、強く蒸し、砂糖を加えながら手でもみこんで生成したもの。
サイズを測りながら、細い線状に切っていきます。
こなしはひび割れしやすいので、
手蜜(砂糖水を煮詰めたもの)を筆で塗って、
乾燥を防ぎます。
   


細い線状のこなしを慎重にお菓子に乗せて
図案通りになっているか確認をして完成です。