魅惑の布 毛斯綸<モスリン>
モスリン<フランス語>この美しい布のルーツは、遠くメソポタミアの首都モスール(今のイラク第2の都市)にあります。

極細の単糸で織られた羽のように軽い平織りの布はエジプト経由でヨーロッパへ伝わります。そして日本に辿り着いたのは、江戸末期。その後明治、大正、昭和と日本の織人達の手で練り上げられたこの布は<毛斯綸>と表記され、高価な絹などは手が出なかった当時の庶民達を魅了してきました。素材は上質なメリノウール、独特な深みのある発色で暖かく蒸れません。又トロンとした「落ち感」はこの布のみが持つ特長でもあります。

日本に入って来てからは、独自の発展を遂げて来たこの<毛斯綸>は、まさに<人にまとわれるべくして存在する布>と言えます。