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SOU・SOU×有松鳴海絞サイトTOP板締めの可能性帽子絞りについて平成20年度新商品

 

 

 豆絞り、雪花絞り、横段等は、板締めと呼ばれる技法で出来る絞りです。生地の折り畳み方や板の形状、染料の浸し方等を変えることで様々な柄を作ることが出来る上、他の技法より量産に向いているとも言われています。中でも雪花絞りは昔おしめに使われていた事からあまり高級品という扱いは受けてこなかったこともあり、幸いにも中国製による大量生産や技術の流出の対象にならなかったという経緯があります。

  しかし、板締めの技法から生まれる柄はシンプルでモダン、かつポップなものが多く、実は今の日本のライフスタイルに最も合った絞り≠ナはないかと思っています。中国で絞って日本で染めた物を日本製≠ニして流通させることが可能な現在では、もはや日本の職人が絞り≠ナ生計を立てていくのは極めて困難です。しかし、この板締めには現在中国製はありません。という事は、産地の人次第で価格や技術を守る事が出来る─つまり次の世代に受け継いでいけるという事でもあります。これは絞り製品全体のうち国産の占める割合が10%以下というこの産地にとって、大変有利な事ではないでしょうか。その上、出来上がる柄が現代の人に受け入れやすいという事であれば、この板締め≠ヘ今後の有松鳴海絞りの救世主になると言っても過言ではないと思います。産地全体で板締めを見つめ直し発展させる事ができれば、その先にはまた新しい可能性が見えてくるのではないかと思うのです。

 今年有松は開村400年を迎えました。売上げの減少、後継者の不在、その他様々な問題を抱えるこの産地が、職人の街、絞りの街として500周年を迎えられるかどうかは、今の産地の人達次第です。先達に恥じないような熱意で、今の産地を本気で立て直すという気概をもった職人の方達と共に、このプロジェクトを進めていかなければならないと感じています。



 糸を使わないで生地を折り紙のように折ったりしたものを、板で締め付けて防染することによって柄を出す技法は板締めと呼ばれています。ポップさ、大胆さがあって、染まり方も独特です。でも絞り業界ではほとんど流通していません。SOU・SOUでは、この何とも言えない板締めの良さをどんどん紹介していきたいと思います。JAPANブランドプロジェクトでは、いろいろな職人さんが板締めを製作してくださいました。

 有松鳴海絞りの中で一番初めから気になっていたのが板締めを専門とする張正さんです。日本で唯一豆絞りの手ぬぐいを作っているところでもあります。

 右にある写真は昭和30年頃にアフリカに大量輸出していた絞りです。板締め+注染を併用したこの生地は、なんと月間一万反を輸出していたのだそう。そのどれもが大胆な色合い・柄で他の絞りのものとは一線を画したものばかりです。

 これらの昔の資料を見せてもらった時に絞りの固定概念が全てなくなりました。要するに何でもありやなと思ったのです。そして絞りの技法にこだわるより、この産地内でどんな事が出来るのかを知ることが大切であり、また、場合によってはこれから新しく絞りの技法を考案していくのもいいのだと思ったのです。

  張正さんのアフリカ輸出用の板締めは、その当時いろいろな批判もあったそうです。前例にない大胆なものを作ると、いつの時代も周りからはいろいろと言われてしまうものです。しかし、今こそこの大胆な発想が産地には必要です、絞りはこうでなくてはいけないという決まりはもともとないのです。そして張正さんは今も新しい技法を探求中です。「ここをもう少しこうしてな…」という口数少ない言葉からは、76歳になった今でももっといいものを作りたいという職人気質を感じます。張正さんは今この産地を引っ張っていく資質がある、数少ない職人さんだと思います。これからも有松鳴海絞り板締め≠フ世界をさらに進化させて頂きたいと願っています。


 

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